2010年5月1日土曜日

ピカソ展




 明石市立文化博物館にて「ピカソ展」を鑑賞してまいりました。平日だったので割とゆっくりと絵を見ることができたので良かったです。ピカソと言われても自分には何がどう良いのか分からないのが本音です。せいぜい見るところといえば、なんかこの配置が好きだなとか、ここの色使いが良いねとか、何を描いていて、何を描いていないのかとか、ピカソって女好きなんやなとか、そんなもんです。

 しかし、展覧会などを見に行くとたいがい何点か、気に入る作品があるもので、今回は4つ良いなと思うものがありました。そうすると帰り際にグッズ販売店に寄って、そのポストカードがあるかどうかを探します。いつもだと自分が良いなと思うものはポストカードになっていないのですが、今回は一点だけありました。

 なんでこの絵が気に入ったかというと、個人的に最近良く楽器や機材を触る機会が多いということが影響していると思います。この「コンポジション」という作品はおそらくギターをモチーフにしたものだと思うのですが、弦らしき線に触れると本当に音が出てきそうな存在感を感じたのです。こんな楽器があったら面白いなと思ったのです。この楽器で演奏される音楽って一体どんな響きがするのだろうか?とかなんとか色々想像できた絵でした。こういった作品を見ているとピカソは音楽も好きだったのだろうなと想像できます。

 他にも人物を描いた作品で興味深かったのは、いわゆるピカソが描きそうな抽象的な絵で、これのどこが人間なんだ!?という形をしているのですが、良く見てみると、その形状が植物の文様に見えてきたのです。人間も植物も同じ「生物」であるわけだし、人間は日々、野菜などの植物を摂取してエネルギーを補給している。野菜など食べず、肉しか食べないという人でも、その牛や豚は植物を食べて成長する。

 とにもかくにも、ピカソがそれを意図して描いたのかどうかは良くわかりませんが、そういった組み合わせを一つの絵のなかに組み合わせたのは面白いなと思いました。人間を描くというよりも、そのエネルギー自体を表現していたのかなという風に自分はとらえました。

 さて、博物館を出て自転車で帰宅することにしました。明石公園の森を抜けて、町に下りてきて信号待ちをしていると、後ろにいたおばあさんに「かばんのチャック開いてるで。閉めたるわ」とチャックを閉じてくれました。僕は「ありがとうございます」とお礼を言いました。そんなやりとりを経て何時もの海沿いの道を通って帰ります。しかし、海沿いの道に入ると向かい風があって結構きつかったです。風が強いせいか、いつもにも増して潮の香りがします。態勢を低くしたりしてあがきながらのペダリング。一方対向してくる自転車にとっては追い風で、スイスイ進むことができます。ママチャリに乗ったおっちゃんが軽快に、そして少し跳ね気味にペダリングをし、その少なくなった毛を風に激しくなびかせながら通り過ぎていったのを横目に、こちらは向かい風と格闘中。空を見上げると、大きな鳥が風に乗ってゆらゆら。何をこんなに必死になって脚を交互に回してるんだろうと、ひとりごちながら帰宅したのであります。
 

 

 

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