池波正太郎『男の作法』(新潮文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ…。勘定、人事、組織、ネクタイ、日記、贈り物、小遣い、家具、酒、月給袋など百般にわたって、豊富な人生経験をもつ著者が、時代を超えた“男の常識”を語り、さりげなく“男の生き方”を説く。
てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ…。勘定、人事、組織、ネクタイ、日記、贈り物、小遣い、家具、酒、月給袋など百般にわたって、豊富な人生経験をもつ著者が、時代を超えた“男の常識”を語り、さりげなく“男の生き方”を説く。
『男の作法』なんていうタイトルからして、排他的で説教臭い内容かもしれない、そして著者自身も”この本の中で私が語っていることは、かつては「男の常識」とされていたことばかりです。しかし、それは所詮、私の時代の常識であり、現代の男たちには恐らく実行不可能でありましょう。時代と社会がそれほど変わってしまっているということです。”と語っている。そもそもこの文章が書かれたのが昭和56年頃なので、私が生まれる前の時代です。なので退屈な話なのかなと思っていたら、全然そんなことはありませんでした。
しみじみと「そうなんだよな~」というところが多かったです。例えばチップの話で、タクシーにのったときに「どうも御苦労さん。これは結構です・・・」といって100円でもチップをやれば、運転手さんもその日一日、ある程度は気持ちよく運転ができるんじゃないか。おおげさかもしれないが、それが交通事故防止になるかもしれない。少なくとも、次に乗るお客のためになっているんじゃないかと著者が語っていますが、本当にそのとおりだと思います。著者は「ありがとう」の言葉だけでは駄目ではないが、身銭を切って出せばもっと気持ちが伝わるといっていますし、むかしの大人はみんなそうしていたといいます。
身銭を切るかどうかを別にして、「ありがとう」という気持ちを伝えるのは本当に重要だと思います。それは車を運転している時に本当に感じます。例えば、狭い道を車ですれ違う時に、相手がすれ違いやすいところで待っていてくれたら、それは必ず「ありがとう」の合図を送らないといけないのです。それをするかしないかでお互いのその日一日の気持ちよさが全く違うと思うのです。こういった小さな心遣いでどれだけ人は快適に過ごせるだろう!!
”根本は何かというと、てめえの考えで生きていたんじゃ駄目だということです。多勢の人間で世の中は成り立っていて、自分も世の中から恩恵を享けているんだから、「自分も世の中にできる限りは、むくいなくてはならない・・・・」それが男をみがくことになるんだよ”というのは、ありふれた言葉かもしれませんが、最近はこういう言葉が響いてくるようになってきました。
その他にも面白い話や自分を見つめ直してくれそうな言葉が満載でした。いや~「いい男」になりたいですな~。
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