2010年9月9日木曜日

観壮の線架高道鉄るせ貫縦を市全

 今日行った本屋で、昔の写真をポスターカードにしたものを集めたフェアーをやっていた。いかにも古そうな白黒写真がズラリ、中には白黒写真に彩色した変にカラフルなものもいくつかあった。どうやら地元の古い写真が集められているようで、行ったことのある土地の名前がちらほら。

 中でも姫路城周辺のものや、神戸などの写真を見るのは面白かった。例えば神戸にあるトアロードを走る市電の写真を見た時は発見だった。というのも自分が知っているトアロードといえば、せいぜいその道の周辺にファッション関係の店があって、オシャレなカフェがあってというくらいの認識しかなかった。そもそも神戸の街を車で走ることもほとんどないので、今現在のトアロードがどんなものかさえも良く知らない。

 しかし、そのトアロードを市電が走っている写真を手にとって眺めてみると、色んな想像が膨らんだ。環境という面で考えれば排気ガスを出す車より、多くの人間を運べる市電のほうが良いのではと考えたり、今ある街が完成というわけでなく、どんどん姿を変えていくということ。例えば、20年~30年先という未来を想像してみると、今当たり前のように道路を走っている車が、市電のように姿を消して全く別のものに代わっていてもおかしくないということ。など色々頭の中を思いがめぐったのであった。



 実際に購入したのはその「市電」のポスターカードではなくて、神戸の街を走り抜ける「汽車」を映したもの。自分からすれば神戸の街を汽車が煙を上げて走っていたということが、逆に遠い未来の話のようである。街の姿をみると瓦屋根がほとんど。

 我々が当たり前のように今生活している風景も、我々の想像を超えた変化を見せるのだろうなと古い写真を眺めながら思う。

 実は色々あった写真の中で前から見たかったものがあったので、それを見つけた時は嬉しかった。それは自分の家の近くにあったと聞いていた「温泉」の写真である。今はただの住宅地になっていて、知らない人に昔ここに温泉があったといえば驚くぐらい平凡な所に、それは確かに存在していたのである。春になれば桜が満開だったそうである。

 ところでこの「温泉」の写真との出会いは自分のなかでも一つのトピックではないかと思っている。なんとなく頭の中で興味があって、知りたいなと思ってたことが、忘れた頃に実際に目の前に現れた・・・。ちょっとした夢が叶ったみたいなもの。だったら他にももっと面白くて、楽しくて、そして自分だけでなく他の人も明るくなれるような未来を想像し続けていたら、こんな途方もないことも忘れた頃にあっけなく実現されてしまうのではないかと思ったりもした。


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