2010年9月16日木曜日

秋太郎

 昨日一昨日と二日連続で、稲刈りの手伝いに行ってきた。コンバインでゴトゴト一列ずつ稲が刈り取られていくのをあぜ道に腰を下ろしながら眺める。刈り取った稲穂が満杯になると、軽トラに積んだ穀物搬送機『秋太郎』なる大きなバックに、”オーガ”と呼ばれる長いアームを伸ばして稲穂を排出する。デカイ水道の蛇口のようなものと言えば良いだろうか 結婚式に米を降り注ぐライスシャワーというものがあるそうだが、これもまさしくライスシャワーだよなと思いながら、バックの中が均一になるように”殻つきライス”を押したり、引いたりして馴らしていく。シャワー繋がりでいうと”秋太郎”は米が外に出ない程度の網目状の巨大バックなので、そこに大量の水を流せば網目から細かい水が出て大きなシャワーの蛇口に変身することもできるだろうなと想像した。

 稲を刈った後を軽く整備するために、レーキを持って田んぼを歩くとまず目に入るのが、大量のツチガエルである。脚を下ろすたびにツチガエルがピョーンと何匹も飛び回る。踏まないように注意して歩くのだが、なにせツチガエルというだけあって、タンボの土とほとんど同じ色。ちょいと通らせてもらうよ!と1人ごとを言いながら作業を進める。

 作業の合間に休憩しながら思う。田植えをしたものが立派に育ち、今それを収穫している。一緒に田植えをした家族と親戚の顔が浮かんできて、力を合わせて作ったんだなと思ったけど、よく目の前の田んぼを見たら、人間だけでなく、カエル、様々な鳥、昆虫、微生物、太陽、水など数えきれないくらいのものが関わっていることに改めて気付いた。

 田んぼでの作業が終わり、祖父母の家に戻り”秋太郎”などの機材の片づけに入ると、今年の稲刈りももうすぐ終了。すると祖父もリラックスしたのか、「ブススッ」とすこし湿り気のある屁を一発かましたと思うが先か、例の匂いが漂ってきた。瞬間的に「くせぇ」と思ったが、よく考えたら自分も同じ米を毎日食べているのだから、同じような匂いを出しているのだろうなと思った。ちょうどこの文章を書いている最中に、隣の部屋からオヤジの威勢の良い屁の音が聞こえてきた。
 

 

 

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